佐々木優です。
今回は、広島原爆についての体験を語った、あるyoutyube動画を見た私が感じたことについて書かせてください。
動画を見た後…正直、何から話していいかわからないくらい、心がグチャグチャになってます。
実は先月、広島に行ったんです。本当は福岡の取引先との会議のついでに、軽い気持ちで寄っただけだったんですけど。平和記念館も「まあ、一度は見ておかないと」程度の気持ちで。
でも、そこで見た一枚の写真が、私の中の何かを完全に壊してしまった。
広島原爆については

をご覧ください。
あの写真を見た瞬間
松重義人さんという新聞カメラマンが撮った写真。御幸橋で撮られた、被爆者の人たちが写った写真でした。
最初は「歴史的資料なんだな」って思って見てたんです。でも、じっと見てるうちに、写ってる人たちの顔が…一人一人の表情が、急に現実として迫ってきた。
特に、坊主頭の男の子。後でわかったことだけど、アキラって名前で、家に帰ろうとしてたんですって。でも結局、帰れなかった。
その子の顔を見てたら、なんか急に涙が出てきて。周りに他の見学者もいるのに、全然止まらなくて。恥ずかしかったけど、どうしようもなかった。
なんでこんなに泣いてるんだろうって、自分でも不思議でした。でも後で気づいたんです。あの子の年齢が、私の従兄弟と同じくらいだったから。
私の従兄弟の話
うちの従兄弟、今中学2年生なんですけど、すごく頭がよくて、将来はゲームクリエイターになりたいって言ってるんです。この前の家族の集まりでも、「優姉ちゃんの会社でバイトさせて」って冗談で言ってきて。
でも1945年だったら、あの子も学徒動員で建物の解体作業とかやらされてたんですよね。ゲームのことなんか考える暇もなく、毎日危険な作業をして。
そう考えたら、もう頭の中がぐちゃぐちゃになっちゃって。
アキラ君も、きっと何か好きなことがあったはず。友だちとふざけあったり、お母さんに甘えたり。普通の13歳の男の子だったのに。
13歳で働かされてた河内光子さん
河内光子さんの証言も読みました。13歳で郵便貯金銀行で働いてたって。
私が13歳の時なんて、本当に何も考えてなかった。友だちとプリクラ撮って、好きなアイドルの話して、宿題やだなーって思って。平和そのものでした。
でも河内さんは13歳で働いて、そして突然ガラスの破片で大怪我して。御幸橋で見たのは、「人間には見えない」ような人たち。黒焦げの赤ちゃんを抱いて「起きて!」って叫んでるお母さん。
読んでて、本当に気持ち悪くなりました。いや、河内さんの証言が気持ち悪いんじゃなくて、そんな現実があったことが。
坪井直さんの「坪井はここで死にます」
坪井直さんの話で一番ショックだったのは、石に
「坪井はここで死にます」
って刻んだってところ。
20歳ですよ?私の会社にも20歳の子がいるけど、まだまだ子どもっぽいところがあって、「将来何したいかわからない」って悩んでる。そんな年齢で、一人で死を覚悟するなんて。
しかも坪井さん、その後ちゃんと生きてて、平和活動をずっと続けてたんですよね。すごいなって思う反面、どんな気持ちで毎日過ごしてたんだろうって。
私なんて、会社の売上が少し下がっただけでクヨクヨしちゃうのに。
技術者として感じる怖さ
IT企業やってると、技術の進歩の速さにはいつも驚かされます。AIの発達も本当にすごくて、この前も社内で「人間の仕事がどんどんなくなっちゃうね」なんて冗談で話してました。
でも原爆って、当時の最先端技術の結集だったんですよね。総工費20億ドル、14万人が関わって。みんな「これで戦争が終わる」って思って作ってたのかもしれない。
技術者として、これはすごく怖いことです。自分が作ってるシステムが、将来どう使われるかなんて、完全にはコントロールできない。
うちの会社でも、セキュリティシステム作ってるんですけど、「これが監視社会につながったらどうしよう」って考えることがあります。でも、そんなレベルじゃない恐ろしさが原爆にはある。
差別の話を聞いて思ったこと
被爆者の人たちが、その後も差別されてたって話、本当に腹が立ちました。
被害者なのに「怪物を産む」とか「不妊症」とか言われて。子どもや孫にまで影響があるからって、ずっと黙ってた人が多いんですって。
私の会社でも、ダイバーシティとかインクルージョンとか言ってるけど、まだまだ表面的な気がします。本当に困ってる人、声を上げられない人のことを、どれだけ考えられてるか。
被爆者の人たちみたいに、社会から理不尽に排除されてる人が、今もきっといるんだろうなって。

差別だけは絶対に行ってはいけない
松重さんのカメラマンとしての決断
松重義人さんのことを調べてるうちに、すごく印象に残ったエピソードがあります。
最初、街の中心部に向かおうとしたけど、あまりのひどさにシャッターが押せなくて、20分も立ち尽くしてたって。涙でファインダーが曇って。
でも結局、御幸橋で2枚の写真を撮った。当時は違法行為だったのに。
私だったらどうしただろう。怖くて逃げちゃったかもしれない。でも松重さんは、これを記録に残さなきゃって思ったんですよね。
その写真があるから、私たちは今、あの日のことを知ることができる。松重さんの勇気がなかったら、もっと多くのことが忘れられてしまってたかもしれません。
ABCCの話にモヤモヤ
原爆傷害調査委員会(ABCC)の話も、読んでてすごくモヤモヤしました。
「広島の人々のための医療」って名目で、実際は研究のために情報収集してたって。河内さんのお父さんも解剖されて、ホルマリン漬けにされてた。
これって、完全に人体実験じゃないですか。しかも被害者に対して。
情報の隠蔽もひどい。原子力の平和利用を進めたいから、被害の実態を隠したって。企業経営者として、情報の透明性がどれだけ大切か日頃から感じてるんですけど、こういう隠蔽は本当に許せません。
被害者の人権を完全に無視してる。アメリカだって、自分たちがやったことの責任は取るべきだと思います。
竹内五郎さんの「軍人優先」の話
竹内五郎さんの証言で、避難が軍人優先で、女性や子どもは後回しにされたって話も、すごく考えさせられました。
燃え盛る街に一人戻っていった小さな女の子の悲鳴が、
今でも耳に残ってるって。
組織の「優先順位」について、私も経営者として日々考えてます。でも、命の優先順位なんてあってはいけない。特に、子どもの命を後回しにするなんて。
でも、今の社会だってそうかもしれません。災害の時、本当に平等に助けられてるか。経済力や社会的地位で、実質的な優先順位ができちゃってないか。
私が変わったこと
広島から帰ってきてから、私、けっこう変わったと思います。
まず、毎朝8時15分になると、必ず手を止めるようにしました。広島では今でも毎日平和の鐘が鳴るんですって。東京にいても、その時間には黙祷するようになりました。
それから、うちの会社のシステム開発でも、「これが悪用される可能性はないか」をもっと真剣に考えるようになりました。技術に携わる者として、責任があると思うから。
社内のミーティングでも、「効率」「利益」ばっかり言ってた自分を反省してます。もちろん経営者だから結果は大事だけど、その前に「人間らしさ」を大切にしたい。
従兄弟に話したこと

この前の家族の集まりで、例の従兄弟に広島の話をしました。
「ゲームクリエイターになりたい」って言ってた子に、「戦争中だったら、君みたいな子が一番先に危険な作業をやらされてたんだよ」って。
最初は「えー、そうなの?」みたいな感じで聞いてたけど、アキラ君の話をしたら、急に真剣な顔になりました。
「優姉ちゃん、僕だったらどうなってたと思う?」って聞かれて、答えに詰まっちゃいました。多分、アキラ君と同じだったんじゃないかなって。
でも同時に思ったんです。この子が今、平和に将来の夢を語れることの奇跡を。
坪井さんの「生まれ変わった場所」
坪井直さんが御幸橋のことを「残りの人生が始まった場所」「生まれ変わったような場所」って言ってたのが、すごく印象に残ってます。
あんなひどい体験をした場所なのに、そこから新しい人生が始まったって。私には、そんなふうに考えられる強さがあるかわからない。
でも確かに、私にとっても広島は「生まれ変わった場所」になったかもしれません。あの写真を見るまでの私と、見た後の私は、明らかに違う人間になった気がします。
竹内さんの言葉に背中を押されて
竹内五郎さんが
「私たちが死んだ後、それを語り継ぐ人は誰もいなくなる。生きている限り、できることは何でもしなければならない」
って言ってた言葉に、すごく背中を押されました。
私みたいな若い世代が、この記憶を受け継がないといけない。でも、どうやって?
とりあえず、今日こうして文章を書いてるのも、その一つかなって思います。完璧じゃないし、まとまってないけど、私が感じたことを正直に書きました。
最後に―私たちにできること
被爆者の人たちが体験した苦しみは、私には想像しきれません。でも、その人たちが命をかけて伝えようとしてくれたメッセージを、私たちは受け取らなければいけない。
技術は使い方次第。私たちIT業界の人間は、特にそのことを忘れちゃいけないと思います。便利さや効率だけじゃなく、人間の尊厳を大切にする技術を作っていきたい。
新社会人のみなさんも、どの業界にいても、この歴史を知っておいてほしい。そして、今の平和がどれだけ奇跡的なものか、感じてほしいです。
私もまだまだ勉強不足だし、できることは限られてます。でも、少しずつでも、平和な社会を作るために何かしていきたい。
まずは、毎朝8時15分の黙祷から。小さなことだけど、続けていこうと思います。
P.S. 長くてまとまりのない文章になっちゃいました。でも、これが今の私の正直な気持ちです。読んでくれて、ありがとうございました。
今回、参考にさせていただいた動画です。お時間の許す限り見ていただけたら幸いに思います。
筆:佐々木 優

製作元:株式会社リミブレイク

サイト制作者:ニック

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